妊娠・出産おめでとうございます!
嬉しい気持ちと同時に、「これからお金、どれくらいかかるんだろう…」と不安になりますよね。
実は、妊娠・出産時には、国や自治体からさまざまな給付やサービスを受けることができます。

初めての妊娠で何から調べたらいいか分からない…というママも安心してください!
この記事では、妊娠・出産時にもらえるお金について、制度の概要から申請方法まで、わかりやすくまとめています。
2025年4月スタートの新制度についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください!
※制度の内容は地域や時期によって異なることがあります。最新情報は各自治体や公式サイトでご確認ください。
妊婦健診の助成
妊婦健診は原則として保険適用外のため、費用は全額自己負担となります。
ですが、多くの自治体では14回分の妊婦健診を助成しており、負担を減らすことができます。
ただし、助成内容は自治体によって異なります。



お住まいの地域の情報を確認してくださいね!
- 妊娠初期〜妊娠23週:4週間に1回
- 妊娠24週〜妊娠35週:2週間に1回
- 妊娠36週〜出産まで:1週間に1回
助成内容の注意点
助成される金額や回数、対象となる検査項目などには地域差があります。
また、妊婦健診はママと赤ちゃんの体調によって、回数が増えることもあります。
私は切迫早産だったため、主治医の判断で標準よりも頻繁な健診を受ける必要がありました。
健診の頻度が増えると、助成回数を超えてしまい、自己負担額が増える可能性があります。



私は37週で出産したため、結果的に補助券が余ったのですが…!
私の住んでいる自治体では、手出しの必要がほとんどなかったのですが、知人の話などを聞くと、地域によって差が大きいようです。
なお、補助券の対象外の検査や、処方薬については、自己負担が発生します。
妊婦健診の助成を受けるには?
妊娠が確定したら、住んでいる市区町村の窓口に妊娠届を提出します。
※妊娠届は受診した医療機関からもらえます。
その場で、母子手帳と一緒に妊婦健診受診券(補助券)が交付されます。



あとは健診のときに、医療機関で補助券を提出するだけでOK!
里帰り出産の場合
補助券は、住民票のある自治体やその指定地域のみで利用可能です。
そのため、里帰り出産などで指定地域外の医療機関を受診した場合は、一旦全額支払い、後から申請で払い戻しとなるケースが多いです。
払い戻しには、領収書や診療明細書などの提出が必要なので、忘れずに保管しておきましょう。
※自治体によって詳細が異なるので、事前に確認しておくと安心です。
出産育児一時金
出産や育児にかかる費用を補助する制度で、赤ちゃん1人につき50万円が支給されます。
2023年4月以降の出産から50万円に増額されました。



働いているかどうかに関係なく、誰でも対象となります!
支給対象者
- 妊娠4ヵ月(85日)以上での出産
- 公的医療保険(健康保険、国民健康保険など)に加入していること
※早産・死産・流産・人工妊娠中絶も対象になります。
受け取り方法
状況に応じて、3種類の受け取り方があります。
①直接支払い制度(最も一般的)
健康保険から直接、医療機関へ支払われる制度
- 医療機関の書類にサインするだけなので、手続きが簡単。
- 出産費用が50万円以内なら、退院時の支払いは0円。(健康保険組合に申請することで、差額を受け取れる。)
- 50万円を超えた場合、差額のみ退院時に支払う。
②受取代理人制度
医療機関が出産育児一時金を代理で受け取る制度
- 直接支払制度を導入していない産院の場合に利用。
- 健康保険組合から申請書を取り寄せ、産院に記入してもらう。
③産後申請方式
出産費用を全額支払い、後日健康保険組合に申請する方法
- 健康保険組合に申請し、必要書類を揃える必要あり。
- 申請書は病院にも記入してもらう必要がある。
出産・子育て応援ギフト
2023年度からスタートした、自治体が実施する子育て支援制度です。
妊娠届出時と出生届出後に、それぞれ5万円相当、合計10万円相当の支援を受けることができます。
この支援を受けるにあたっては、保健師や助産師との面談がセットになっていて、妊娠・出産に関する不安や悩みを相談できます。



産後には自宅訪問があり、赤ちゃんの体重測定や母乳量のチェック、育児相談なども対応しています。
※「出産・子育て応援ギフト」は通称であり、正式名称は自治体によって異なる場合があります。
対象者
- 妊娠届を提出した妊婦さん
- 出生した子どもの保護者(養育者)



所得制限はなく全員対象です!
支給方法
自治体によって支給方法が異なり、以下のような形で提供されます。
- 現金支給
- カタログギフト
- クーポン・商品券
- ポイント
- 産後ケアの利用料助成



住んでいる自治体のHPや窓口で確認してみてくださいね!
自治体ごとの支援制度
国からの助成に加えて、各自治体でも独自の支援制度が用意されています。



妊娠・出産時だけでなく、子育て期にも使える支援があります!
主な内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- お祝い金や支援金の給付
- 商品券やギフト券
- チャイルドシート購入費の補助
- 不妊治療費の助成
- 保育料の軽減・助成 など
お住まいの自治体によって内容が異なるため、窓口や公式HPで確認してみてくださいね!
出産手当金
会社の健康保険に加入している人が、出産のために休業した際に支給される手当です。
対象者
次の3つの条件をすべて満たしている方が対象です。
- 勤務先の健康保険に加入している本人
- 妊娠4ヶ月(85日)以降の出産であること(流産や死産・人工妊娠中絶なども対象)
- 産前・産後に仕事を休んでいること
そのため、国民健康保険加入者や扶養されている場合、産前・産後も仕事を休んでいない場合には支給対象外となります。
対象期間
出産予定日の42日前(多胎妊娠の場合は98日前)から、出産後56日目までの範囲で、実際に仕事を休んだ日数分が対象です。



予定日より出産が遅れた場合、その分も支給されます!
申請方法
- 勤務先から申請書を受け取り、必要事項を記入
- 医師または助産師に証明欄を記入してもらう
- 勤務先に提出(※健康保険組合へ直接提出が必要な場合もあります。)
※必要書類や申請手続きの詳細は、勤務先の担当部署や健康保険組合に確認してください。
- 産前・産後の対象期間分を一括で申請
- 産前・産後を分けて申請
分けて申請する場合は、その都度勤務先に依頼しなければならないので、手間を考えると一括申請がおすすめです。
一括申請する場合は、産休が明けてから2年以内に申請を行いましょう!
支給額
支給額は、以下のように計算されます。
【過去12ヶ月の標準報酬月額 ÷ 30 × 日数 × 2/3】



つまり、給料のおよそ3分の2がもらえるイメージです!
育児休業等給付金
育児休業等給付金は、育児のために仕事をお休みする人がもらえるお金のことです。



条件を満たせば、会社を休んでいても一定の収入が確保できる心強い制度です。
さらに、2025年4月からは、子育てしながら働きやすくするための新しい制度もスタート。
現在、育児休業に関連する給付金は以下の4種類です。
- 育児休業給付金
- 出生時育児休業給付金
- 出生後休業支援給付金(2025年4月〜)
- 育児時短就業給付金(2025年4月〜)



それぞれポイントを分かりやすく解説していきます!
育児休業給付金
育児休業給付金とは、赤ちゃんが1歳になるまで育児のために会社を休んだ場合に、雇用保険からもらえる給付金です。
対象者
以下の条件をすべて満たす方が対象です。
- 雇用保険に加入している(会社員・派遣・契約・パートなど)
- 1歳未満の子を養育するために育休を取得(2回まで分割取得可)
- 育休前の2年間に、月11日以上働いた月が12カ月以上ある(または月80時間以上の勤務が12ヶ月以上)
- 育休中働いた日数が月10日以下(または就業時間80時間以下)
- 有期雇用の場合、子どもが1歳6カ月になるまで契約満了が確定していないこと
※自営業・フリーランスなどで雇用保険に加入していない場合は対象外です。
対象期間|延長できる場合も
通常は、出産手当金の支給が終わった翌日から子どもが1歳になるまでですが、1歳6ヶ月または最長2歳になるまで延長できるケースもあります。



延長できるケースとは、保育園に申し込みをしているのに入れなかった場合などがあります。
通常、育児休業は子どもが1歳になるまでですが、夫婦それぞれが育児休業を取得した場合に、子どもが1歳2ヶ月になるまで育児休業期間を延長できる制度もあります。
支給額
支給額は、おおまかに以下のように計算されます。
【育休前の月収 ÷ 30 × 支給率】
支給率
- 育休開始から180日間:67%
- 181日目以降:50%(上限あり)
例)育休前の月収が30万円の場合
- 最初の半年間:約6万7千円/月
- それ以降:約5万円/月
※給料が支払われた場合や働いた日は減額対象になる場合があります。
申請方法
- 休業予定の1ヶ月前までに勤務先へ申請します。(原則、勤務先を経由してハローワークに申請)
- 給付は2ヶ月に1回ずつまとめて支払われます。
- その都度、会社経由で申請が必要です。



必要書類や詳しい手続きは、会社の担当者に早めに確認しておくのがおすすめです!
出生時育児休業給付金
雇用保険に加入している方が「産後パパ育休(出生時育児休業)」を取得すると、一定の条件を満たせば給付金がもらえる制度です。
産後パパ育休とは、産後8週間以内に最大4週間(28日)まで2回に分けて取得できる休みで、1歳までの育児休業とは別に取得できる制度です。
支給要件
- 雇用保険に入っている
- 育休前の2年間で、月11日以上働いた月が12カ月以上ある(または月80時間以上)
- 休業期間中の就業日数が、最大10日(または就業時間が80時間)以下
- 有期雇用の場合、赤ちゃんの生後8週+6か月の間に契約が終了しないこと
支給額
休業前の給料の67%が支給されます。



産後パパ育休取得中は社会保険料の支払いが免除されます!
出生後休業支援給付金(2025年4月〜)
夫婦ともに育児休業を取得した場合に、給付金を受け取ることができる制度です。



「共働き・共育て」を推進するためとされています。
支給要件
赤ちゃんが生まれてから8週間以内に、パパとママがそれぞれ14日以上の育児休業を取得していること。
つまり、パパは「産後パパ育休」を取ることが条件です。
支給額
【休業開始時の給料 × 休業期間の日数(最大28日) × 13%】
これは、既存の「育児休業給付金(67%)」に上乗せして支給されます。



そのため、合計で80%となり、給付金は 非課税+社会保険料も免除なので、手取りは思ったより減りません!
注意点
夫婦ともに育児休業をとることが原則ですが、配偶者の育児休業を要件としない例外があります。
ひとり親家庭や、配偶者が自営業、その他やむを得ない理由がある場合なども、出生後休業支援給付金を受け取ることができます。



ご自身の状況が不明な場合はハローワークに問い合わせてみてください!
育児時短就業給付金(2025年4月〜)
2歳未満の子を養育するために時短勤務をした場合に、時短勤務中の賃金の10%が支給される制度です。



仕事と育児の両立を支援することが目的とされています。
対象者
以下の要件を両方満たす必要があります。
- 雇用保険に加入していること
- 次のどちらかに当てはまること
- 育児休業から引き続いて時短勤務を開始したこと
- 時短勤務開始日前の2年間に、雇用保険に12か月以上加入していた
支給額
時短勤務で減った給料の10%が支給されます。
たとえば、時短勤務で月収が3万円減った場合、その10%=3,000円が給付されます。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 時短勤務前の給料を超えない範囲での支給になります。
- 支給額には上限があります。
申請方法
申請は原則として勤務先を通じて行います。支給対象月の初日から4ヶ月以内に、必要書類を添えて申請する必要があります。
社会保険料の免除について
産休・育休期間は社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が免除されます。
社会保険料の免除を受けるには、勤務先を通じて日本年金機構へ申請が必要です。
この期間も保険料を納めたとみなされるため、将来の年金額が減る心配はありません。



出産や育児休業の予定が決まったら勤務先に申し出ましょう!
高額療養費制度
1か月(1日から末日まで)の医療費が高額になった場合に、自己負担の上限を超えた分が払い戻される制度です。
自己負担限度額は、年齢や所得によって異なり、所得が高いほど自己負担限度額も高くなります。
正常な妊娠や出産は適応外ですが、妊娠中のトラブルによる管理入院や帝王切開などの異常分娩には高額療養費制度を利用できます。
※保険外負担分(差額ベッド代や入院時の食事代など)は含まれません。



私も出産前2ヶ月の入院が必要となり、高額な医療費がかかりましたがこの制度のおかげで大きな負担を減らせました!
申請方法
払い戻しを受けるには、加入している公的医療保険(健康保険組合や国民健康保険)に申請します。
- 必要な書類を準備し、提出すると後日払い戻されます。
- 申請は「診療を受けた月の翌月初日から2年以内」まで可能です。



とはいえ、高額な医療費を一旦支払うのは厳しい…という方でも安心してください!
以下の2つの方法で、窓口での支払いを最初から限度額までに抑えることができます。
①マイナ保険証を使う
マイナンバーカードを保険証として登録し、病院で提示するだけでOK。
事前の申請なしで、限度額が自動適用されます。
②限度額適用認定証を使う
事前に医療費が高くなるとわかっている場合、
加入している健康保険に申請すると「限度額適用認定証」が発行されます。
医療機関の窓口で提示すれば、自己負担限度額までの支払いとなります。



いざという時に備えて、制度のことを知っておくと安心です◎
傷病手当金
病気やケガで働けなくなった場合に、生活を支えるための制度です。



妊娠悪阻(つわり)や切迫早産などで、働けなくなった時も対象となります◎
対象となるのは、会社員や公務員など健康保険に加入している人です。
※自営業やフリーランスの方が加入する「国民健康保険」では利用できません。
支給条件
次の4つのすべてに当てはまる場合に支給されます。
- 休業期間中に給与の支払いがないこと
- 業務外の病気やケガであること(業務中の病気やケガは労災保険の対象)
- 仕事に就くことができないこと
- 連続する3日間(待機期間)を含み4日以上仕事に就けなかったこと
申請方法
原則、勤務先を通じて健康保険組合に提出しますが、難しい場合は自分で申請することも可能です。
必要書類
- 医師の診断書
- 傷病手当金支給申請書
- 賃金台帳の写し など
申請期限は、「働けなくなった日の翌日から2年以内」です。



条件に当てはまりそうなら、早めに勤務先や健康保険組合に相談してみてくださいね!
支給される金額と期間
支給額:給与のおよそ3分の2
支給期間:最長1年6ヶ月
たとえば、月30万円の給与の方なら、月20万円程度が支給されるイメージです。
医療費控除
1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に、所得税の還付や住民税の減額が受けられる制度です。
※総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%を超えた場合です。
確定申告をすることで、医療費の控除が受けられます。



領収書や明細書などが必要になるので保管しておいてくださいね!
ポイント
- 生計を共にする家族分も合算できる。
- 妊娠中の通院費や治療費、出産費用、不妊治療費なども対象。
- 医療費控除の金額の上限は200万円



実際に私自身も、妊娠・出産の年は控除を受けられました!
まとめ
妊娠や出産に関してもらえるお金や支援制度についてご紹介しました。
たくさん支援はあるものの、それぞれの状況や自治体によって違ったり、内容が複雑で分かりにくいことも多いですよね。
でも、大丈夫です!
分からないことは、厚生労働省のHPや自治体の窓口、会社の担当者などに確認すれば教えてくれますよ♪
▼こちらの記事もぜひ参考にしてください。


※この記事は【2025年4月10日現在】の情報をもとに作成しています。制度は今後変更される可能性がありますので、最新の情報をご確認ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。